アイ&グレース

山下いち

2026.03.05

もうすぐ桜の咲く季節

気づけば桜の開花予報が出ています。

 

どんどん暖かくなる関東でも、開花がそう遠くなさそうですね。

 

わたしの住む街にも桜並木の通りがあり、昼夜問わずとても美しく毎年楽しみにしています。

 

日本では春に咲く桜は、古来より様々な表現に用いられています。

 

『花の色は移りにけりないたづらに

わが身世にふるながめせしまに』

 

こちらは平安時代の古今和歌集に掲載されている小野小町の有名な短歌。

 

わずかな日々で散ってゆく桜と自身の衰えを重ね合わせて、物思いに耽る…と言った解釈でしょうか。

 

ミドル世代になりますとこの思い、わたしもとっても共感いたします!

 

もうひとつ、わたしには新聞の片隅で一度しか見ていないのに、以来ずっと忘れられない短歌があります。

 

『後世はなお

今生だにも願わざる

わがふところにさくら来てちる』

 

明治時代、与謝野晶子と共に活躍した女流歌人山川登美子の作。

 

29才という若さで、当時は不治の病であった結核で生涯を閉じました。

 

自身の命がそう長くないと悟ったからでしょうか。生きる望みを潔く断ち覚悟を決めたはずなのに…

 

希望を象徴する春の桜の花びらが自分に舞い降りて来る…

 

作者の覚悟とは裏腹に、もっともっと生きたいと心が言っていたのでしょう。

 

わたしは文学には素人なのですが、この歌に込められた作者の生への渇望が、強烈に伝わってきました。

 

その想いはわがままなどでなく、わたしにはとても美しいものだと感じました。

 

皆さまはこの季節、桜の花にどんな想いを寄せるでしょうか。

 

 

ここまでご覧いただき大変ありがとうございました。

 

今日も明日も、あなたにとって愛のある平和な日々となりますように。

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