久保潤一
風は秋色
皆さま、こんにちは。
Ai & Graceの久保潤一(くぼ・じゅんいち)です。
今回で3回目の投稿です。
前回のブログで「次回は私が今まで観てきた芝居の中で、今でも忘れられない芝居をご紹介したいと思います。」と書いて終わりましたので、今回は私が大学時代に観て今も心に残っている、私の原点ともいえる3つの芝居について書こうと思います。
1つ目は、第三舞台の『朝日のような夕日をつれて ‘87』です。
この芝居は今夏、KOKAMI@networkによる『朝日のような夕日をつれて 2024』として新キャストで再演されましたが(私は8月に観に行きました)、私が大学時代に観たのは第三舞台によるものでした。
この芝居の何が凄かったかというと、とにかく「自由すぎる」のです。舞台上でずーっと「遊んでいる」ので観ていて「楽しい」し、「笑える」のですが、それでいて「深い」し、「新しい」のです。「演劇って、こんなにも自由でいいんだ!」と当時、学生演劇にのめり込んでいた私に、衝撃と希望と勇気を与えてくれました。
2つ目は、加藤健一事務所の『セイム・タイム、ネクスト・イヤー』です。
この芝居の何が凄かったかというと、とにかく「笑えて、泣ける」のです。加藤健一さんと高畑淳子さんによる二人芝居なのですが、お二人の演技力が素晴らし過ぎたのです。「魅力的な役者って、こういうものなのか!」と当時、学生演劇にのめり込んでいた私に、感動と憧れと高みを教えてくれました。
3つ目は、劇団離風霊船の『赤い鳥逃げた…』です。
この芝居の何が凄かったかというと、とにかく「震える」のです。脚本・演出・役者・スタッフの一体感によってたどり着く圧倒的なラストに驚愕しました。「演劇って、こんなにも凄まじいものなのか!」と、当時、学生演劇にのめり込んでいた私に、驚愕と刺激と本気を教えてくれました。
こんな大学時代の私でしたが……近年観た芝居だと、パルコ・プロデュース2022の『桜文』が久しぶりに咽び泣いた芝居でした。
脚本と演出、舞台美術・音響・照明の全てが秀逸な出来であり、役者陣の演技力の高さにも惚れ惚れしました。
20代・30代・40代とたくさん芝居を観て幾度となく涙ぐんできましたが、50代半ばでこんなにも泣ける芝居に出会えるなんて思ってもみませんでした。
本当にありがたい出会いでした。
実はこの芝居、私が50代半ばにして俳優活動をしたいという衝動に駆られたきっかけの一つになっています。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次回は私と関わりのある「高校演劇」について、少しお話しさせていただこうと思います。
この度の豪雨により被災された皆さまが一日も早く平穏な生活に戻れることを、心よりお祈り申し上げます。
では、また来月に、お会いしましょう。
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